イタリア紀行③
2012年12月10日(月)
 

 ナポリに帰る船は、水中翼船はもうコリゴリと妻が言いますので、倍の時間はかかる大型のフェリーで帰りました。

 ホテルに帰る途中、ナポリならではの情趣あふれる下町「スパッカ・ナポリ(世界遺産)」を散策、ここを歩くと必ず持物が無くなると息子から言われ「用心」「用心」と心に言い聞かせながらホテルに帰りました。

 さて、またまた問題が起こります。今度は「食事」です。毎夜、毎夜「パスタ」と「ピザ」が4日連続です。うんざりです。

 しかし、息子達から、これしか無いと言われ我慢して「パスタ」と「ピザ」を食べること4日、そうしますと不思議なことに、5日目からは「パスタ」が無性に食べたくなるのです。これがホントの食中毒です。

 翌日は、紀元79年8月24日にヴェスビオ火山の噴火により消滅したポンペイの古代遺跡を見学に行き、列車に乗っていますと、途中の駅から、カスタネット、タンバリン、太鼓やアコーデオンを持った若者4人が乗り込んで来ました。何が始まるかと思っていると、車内でラテン音楽の演奏を始めるのです。

更に驚いたことに、その演奏に合わせて乗客が踊り始めるのですから、なんと陽気な国民性だなと感じました。日本では考えられない!

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 ポンペイに到着し、古代遺跡を見学していると「悲劇詩人の家」の床に、鎖につながれた犬の絵が描かれていました。なんと「猛犬に注意」と書いているのには、今も昔も人間の生活様式は変わらないものだなぁ、とつくづく思いました。

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次の日は、列車で3時間、ローマを経由してフィレンツェに向かいました。その車中でのこと、妻がホテルの領収書に目を通していますと、宿泊費の他に使途不明の50ユーロを発見し、長男に

「宣ちゃん、この50ユーロ(約5,000円)って何に使ったお金?」

と聞きますと、長男は黙っています。更に、突っ込んで聞きますと、

長男は「言わない」と答えます。

 私達夫婦はこれは怪しいと思い、更に突っ込んで問い詰めますと、

「ホテルの洗濯代」と答えるので、「一体何を洗濯に出したのか?」と鞠問すると、「靴下やパンツ等10点、1点5ユーロ、メイドさんに訊ねたら、たいして高くないと言うから出した。後であまり高いので驚いた」と答えるのです。

そんなもの自分で洗える物じゃないかと私達夫婦は呆れはてながら、「タクシーに乗るのがもったいないって言って、クタクタになっていてもタクシーも乗せてくれなかったのに、50ユーロもあれば交渉しだいで4回以上乗れたのに」と言って、長男をここを先途と、懇懇と責めまくり、今までの鬱憤を一気に払拭したのです。―つづく―(R・K)


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