第18回研究発表大会開催!!
2009年4月15日(水)
 

kenjo-sensei.JPG去る、3月26日に佛立研究所・佛立教育専門学校との共催で「第18回研究発表大会」が開催された。
 その中で特別講演として、山田洋次監督作品映画『学校』のモデルになった、東京都墨田区立文花中学校・夜間学級嘱託として教鞭をとられている、見城慶和先生をお招きし講演いただいた。タイトルは「学ぶ楽しさ素晴らしさ」-夜間中学での出会いや学びから-
である。
 「夜間中学(夜間学級)」とは、戦後間もないころ、家の手伝いをしたり、働きに出されたりして昼間の学校に通 えなかった子どもたちのために開設された学校。当時は学齢の生徒がほとんどであたが、 現在は様々な事情で「教育」を受けられなかった人々(義務教育を終えられなかった人、十分に勉強ができなかった人、日本語を学びたい人たちなど)が、年齢・国籍に関係なく学んでおり「夜間中学」は注目を集めている。その第一人者が見城先生である。
 柔らかい口調と心地よい声のトーンで公演は始まった。見城先生が教師を目指そうと思ったきっかけが、小学校4年生の時の担任の先生が語った言葉によるそうである。日本が戦争に負けて、諸外国が軍備をしっかり固めているのに対して、日本は戦争を放棄して、軍隊がなくなり誰もが不安を感じている頃。先生は、「皆さん、軍隊がなくなっても少しも不安を感じる必要はありません。戦争を放棄して世界中の人と仲良くするのですから、少しも心配する必要はありません」というような趣旨のことを、やさしく、また、毅然とお話をされ、子供心に感動を覚えられたとのこと。そして、将来はあのような素敵な先生、教師になりたいと思われたとお話し下された。その後、見城先生は教師を目指すべく、東京学芸大に進学して、教師への道を歩んでいくことになる。kennjo-sensei2.jpg
 ところが在学中に60年安保闘争に共鳴して、運動を沢山の同志と共にすることになる。しかし、安保闘争に敗れ、挫折して教師への道を断念しかかっていた頃、一冊の本に出会う。それは夜間学級についての本。これを見て「こういう憲法違反の学校があるからいけない、昼間、子どもが学校に行くことを妨げているのだ」と思い、実際に夜間学級を見学に行かれた。ところが、教育を受けたくても受けられない子どもが、喜んで生き生きとこの学校に通い、勉強している姿に接する。逆に、ここで先生として働き、ひとを育てたいと思われるようになり、1961年、志願して荒川九中に奉職。それ以来、42年勤められるのである。退職後も、「えんぴつの会」を立ち上げ、教育を受けられなかった人たちにいろいろな事を今現在も教えられているとのことである。
 先生のお話の中からは、平和と平等、差別なき社会を願い、困っている人があればいつでも助けたいという、いわば「菩薩」の心があることがくみ取れた。また、宮沢賢治の詩が口をついて出てきて、賢治の考えと生き方に共鳴を覚えておられるようである。
 ところで、公演の資料としていただいたプリントに記載された作文の一節に、戦争や貧乏で学校に行けなかった方の『私は思い出した』というタイトルの作文がある。
 『いま、うちの息子は33歳ですが、その子が小学校4年生ぐらいの時でした。学校から帰って宿題の算数をやっていました。私はそれを見て「あんたなにをやってるの。1234と書いてあるのはわかるけど、横の方に小さくばつや、じゅうと書いてあるのは、おかあちゃんにはちっともわからないわ」と私はいいました。すると子供は、「いまこれがおわったら、おしえてあげるからちょっとまっててね」といったことがありました。
 今こうして九中二部でおしえていただいて、あの時のあれは算数で、たす、ひく、かけるのきごうだったことがわかりました。なんて情けない、だらしない親だったのでしょう。今はこの学校に来ていろいろ教わって、少しずつわかるようになってきました。
 ここに来なかったら、なんにも知らないまま年をとっておわったかもしれません。九中二部の先生方は、私にとっては目のお医者さんでもあります。だんだん目が見えるようにして下さいます。先生これからもお願いします。』
 このような作文を読むにつけ戦争のつめあとは、今も残っているということを感じた。 更に、見城先生は、現代の教育に対して警鐘を鳴らされた。先生は「夜間教育は、失われしまった教育の機会を取り戻すために、また、外国の人の為に日本語の教育はじめ、いろいろなことをゆっくり、時間をかけて教えていきます。新しいことを知る喜びで、みな笑顔で学校に入って来ます。また、教える方も喜んで教える。教えたい人が、教わりたい人に教える。教える方も、教わる方もワクワクしながら授業が行われ、学びが創られていいますと・・・教育の本質が夜間学校にはちゃんと、息づいているのです。」と語られた。kenjosensei3.jpg
 今回の公演では、見城先生の教育の現場である夜間学級での生徒たちとのふれあいと、そこで感じられた人間の可能性について教えていただいたように思う。人は一人一人違い、だから生きる速度も異なる。学ぶ速度も成長する速度も異なる。そうした生徒一人一人に寄り添いながら、教師と生徒の間に「感動」が生まれるのであると感じた。
 お互い教務もご信者も、こうした感動し合えるそして、喜びに満ちた信行ご奉公の現場作を目指さなければならないと、改めて思う次第である。
 

 

2月27日(金)第32回佛立研究所・研究員会議が開催され、小発表を弘通研究部門から札幌・信廣寺、石岡正則師、教学研究部門から、横浜・照隆寺、前島照力師から発表がありました。                      
090227_111801.jpg   090227_120802.jpg
それぞれ以前に小発表されたものを改訂した内容となり、
 前島師より「扇全『口伝の御指南』から拝見する教弥実位弥下の御意についての一考察」というテーマで、また石岡師より「佛立青少年の『悩み』と相談者との関係について-アンケート集計の結果をもとに-」というテーマの発表でした。なお、この二師がなされた小発表のテーマで、来る3月26日(木)に開催される「第18回研究発表大会」の研究発表がなされます。

 

090129_120002-2.jpg               平成21年1月29日(木)新年初の佛立研究所研究員会議が開催されました。今回小発表をした二師は次のとおりです。教学部門から横浜・照隆寺、前島照力師、弘通研究部門から札幌・信廣寺、石岡正則師。それぞれのテーマは前島師より「開導聖人の信徒の教導と当時の信徒のご奉公に学ぶ」~扇全のご奉公談等の拝見から~、弘通部門 石岡師より「青少年の『悩み』と教務の共感力について」-アンケートの結果をもとに-という内容のものでした。 

 

081216_130001.jpg     081216_125602.jpg    12月16日(火)第30回佛立研究所・研究員会議が開催され、小発表を弘通研究部門から大阪・清現寺、橋口清遠師が、教学研究部門から、熊本・長薫寺、高須昭因師のあわせて二師から発表がありました。それぞれのテーマは橋口師より「新しい御大会奉修の形態について」というタイトルで、所属寺院の御会式の「ご奉公者の座」で新しく試みた、奉修導師と参詣者が質疑応答形式での御法門の紹介と今後の御会式奉修のあり方について発表がありました。高須師からは「『良いお看経』の実践と継承-御題目口唱の行規について-」  というタイトルで、「良いお看経」と「良くないお看経」の対比から、身・口・意の三業にわたるのぞましいお看経のあり方、また呼吸法とお看経の関連性について発表がありました。

 

dsc03127.JPG   

る11月15日(土)札幌・信廣寺を会場に、佛立研究所第29回公開講演会を開催し、現在各分野から引っ張りだこの、関西大学社会学部教授 木村洋二先生を講師に招き、「笑いを科学する」-笑い測定機の冒険-というタイトルで講演を頂いた。                

                

2.JPG

 木村先生が笑いを科学し始めたキッカケは、ワライタケを食べて3時間笑い続け、その笑っているときは何もできず「笑いとは何か」と思案したことに端を発したとのこと。その後の研究から、身体と精神のジョイントをなし、免疫強化・抗ストレス機能を果たす「笑いの量」をどうやって量るのかを、横隔膜の振動から測定することができることを発見。その“笑い”の単位を“aH”(アッハ)と名付け、その測定機器の試作機が完成し、笑いの量や質を客観的に解析できると言う。さらに笑いは、シンクロし、アイコンタクトで笑いが人に移り、笑いは移っても人にあげてもなくならない、むしろ増えていくもので、命の共鳴ができていくもの、笑いは最高の哲学であると。また先生は、笑顔と笑いの子育て支援プロジェクト「赤ちゃんと笑おう」を形成し、笑いからうまれる教育を重視した新たな可能性を見いだしている。

関西大学教授という肩書きのほか、ソシオン研究プロジェクト・ユニット主幹、日本笑い学会の副会長としてご活躍。2010年には関西大学で、健康文化学部・ユーモア学科があらたに開設され、それに伴い「ユーモア科学」という小専攻をつくられ、世界へまじめな「笑いの科学」が発信されることを念願されている。

講演は終始和やかにすすめられ、講演後の質疑応答では、専門の社会学的見地によるキリスト教と仏教との比較対照の中から、仏教的思想こそが未来の社会を明るくする生き方という話もあり、仏教の優位性と佛立信心の可能性を再確認できる内容でもあった。

dsc03132.JPG

開催受け入れ寺院・信廣寺の御住職 姫井日覚導師は「当山は、17世講有・石岡日養上人、先住・佐々木日喜上人のご遷化という相次ぐ悲しみを経験しました。しかし、その悲しみから立ち直るのは、『笑い』であると教務にも呼びかけ、『笑顔で、楽しく、喜びに溢れる寺院づくりを!』との思いをもちつつ今日までご奉公してまいりました。そういう私たち信廣寺教講にとって、この度の講演会の講師として木村先生をお招きし、笑いのお話を聴講させていただけたことは、最もふさわしい方とご縁を結んでいただけたと大変ありがたく、随喜しております」と御礼の言葉を述べられた。

当日の参加者は、信廣寺門末の教務・信徒あわせて348名。皆、表情に笑みをたたえ、心も爽やかな笑みを蓄えつつ散会した。

dsc03152.JPG

世界仏教徒会議で講演
2008年4月30日(水)
 

佛立新聞平成19年2月号~6月に掲載
●世界仏教徒会議で佛立宗をアピール
福岡日雙師が大乗仏教代表として講演

   去る1月14日、スリランカのコロンボ市の大ホール・BMCIHにおいて、国際仏教徒協会(I・B・O 本部シンガポール)主催、スリランカ政府後援の国際仏教徒会議が関係者約500人の参列の下、開催された。
   福岡日雙師(神戸・香風寺住職)は、この会議に大乗仏教界の代表として招かれ、「法華経、日蓮聖人の教えと修行をスリランカに伝える意義」と題する講演を英語で行い、聴衆に本門佛立宗の信仰のエッセンスを伝えた。 つづきを読む

 

佛立新聞平成19年1月号〜6月に掲載
国際仏教徒大会でダライラマ14世と会見
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
4支・妙深寺 長松 清潤 記
「インド」に伝わる上行所伝の御題目

多くの人々が佛立の口唱行に感動
 去る平成18年10月3日から10日にかけて、福岡日雙師(神戸香風寺)は、横浜妙深寺、博多光薫寺を中心とした教講21名とともにインドへ赴き、歴史的ともいえる弘通活動を展開し、6千名を越える人々に上行所伝の御題目を伝えるという成果をもたらした。
 そうした活動の一端を伝え、法華経と日蓮聖人、日隆聖人、日扇聖人の教えに基づく本門佛立宗の信仰が、インドの人々にどのように受け止められ、どのように弘まろうとしているのかを同行した長松清潤師(横浜妙深寺)、局良鳳師(神戸香風寺)がレポートした。
つづきを読む

イタリア別院 参詣について
2008年4月3日(木)
 

門佛立宗、香風寺イタリア別院(親会場)のご参詣日 日本から本門佛立宗のご信者さんが、仕事で、観光でとイタリアへいらした機会に親会場へのお参りを希望される方のためにもご参詣日と時間帯をお知らせいたします。

月曜 午後7時半~

火曜 午前8時半~ 午後9時~   (1日2回)

水曜 午後7時半~ 

木曜 午前8時半~ 午後7時半から (1日2回)

金曜 午後7時半~ 

clip_image001.jpg

200802.jpg

73_00.jpg

7-4.jpg

 

 

原則的に土曜、日曜は地方でのご奉公や特別行事のため閉めております。イタリアの諸事情を考えまして、大変申し訳ないのですがご連絡のないお参詣はご遠慮いただきたいと思います。こちらのEメールアドレス hbs.maki@gmail.com へお問い合わせください。よろしくお願いいたします。

清潤師ブログから転載

イタリア別院

<前のページ|次のページ>